ブロック基礎の水平を取る時には、モルタルという建築素材が必要になります。
モルタルはコンクリートの一種なので、お庭をDIYする方以外は馴染がないのが普通です。
わたしも、基礎の水平出しをする時に初めて弄りましたが、電動工具無しでは、二度とやる気はしませんね。
【モルタル DIYの辛いところ】
- ハンドツールで作ると大変な労力が必要。
- ツールは外構専用で汎用性がない。
- 材料から‥‥、とにかく重い。
スコップとバケツでも楽しくDIYできるのは、せいぜい5kg以内の工作や花壇の補修レベルです。
20kg以上のモルタルを使うなら、きっちり道具を揃えて臨むのがおすすめですね。
ある程度の規模でモルタル加工するなら、外構工事は業者さんにお願いするのも手ですよ。
外構DIYでもおなじみの、モルタルの作り方と、ツールについてまとめましたので、これから挑戦を考えている方は、参考にしてください。
モルタルの材料
モルタルは水・セメント・砂を混ぜて作る建築資材です。
コンクリートとの違いは砂利の有無です。
【モルタルとコンクリート 素材と混合比率】
素材 | モルタル | コンクリート(基礎) |
水 | 適量 | 適量 |
セメント | 1 | 1 |
砂 | 2~3 | 3 |
砂利 | × | 6 |
なお、モルタルは、セメント含有量が高いため、バイクガレージの基礎として充分な強度があります。
モルタルの配合と粘度
モルタルの素材割合は次の通り。
セメント(1):砂(2~3):水(適量)
計量は、目分量では失敗するので、メモリのある左官バケツなどで計測しながら配合するのがおすすめです。
【軽量には左官バケツが便利】
内側にメモリがついた左官バケツがあると、計量も簡単。
水の量は、気温・施工面によって変えていきます。
【モルタルの硬さ】
感覚としては、ケーキのホイップと似た感じです。
- ぼそぼそしている・コテやクワで切り込みを入れるとぼろぼろと崩れる:水分が不足。
- べしょべしょしている:水分が多すぎ。
寄せ集めたとき、山がぼろぼろと崩れず、しっとりと水分を含んだ状態が基本的な硬さの目安です。
適量のセメント・砂を配合した後、少しずつ水を加えていき、理想の硬さにしていくのが、作り方の基本的ですね。
柔らかくなり過ぎたときは、セメント・砂を、比率分足して調整していけばよいので、リカバリも簡単です。
- 理想の硬さ≒作業しやすい粘度 なので、自然と最適な硬さは理解できます。
- ただし、強度はセメント比率に依存するので、セメント・砂の配合比率は計測しながら進めましょう。
モルタルを手動で作る方法とツール
作り方
20kgを超えるモルタルを作るなら、専用ツールを揃え、本腰入れて作るのがおすすめです。
【モルタルの作り方】
- セメントと砂を、1:2(3)の分量取り出し、トロ船に入れる。
- 左官クワを使って、セメントと砂だけを均一になるまで混ぜ合わせる。
- 水を少しずつ加えながら、セメント・砂・水を均一に混ぜ合わせる。
ただ混ぜるだけですが、トロ船と左官クワ無しだと相当にきついです。
コツは、水なし状態で、セメント・砂・空気を綺麗に混ぜておくことです。
【参考動画】
動画で比較的分かりやすく公開されているのは以下、「現場辞典」さんの「モルタルの練り方」です。
興味のある方は、ぜひご覧ください。
モルタル作りに必要なツール
モルタル作りに必要な道具は、ケチらない方が良いですね。
少なくとも、トロ船・左官クワ・左官バケツは必ず準備しましょう。
トロ船
四角く分厚いトレイです。
クワを刺しても簡単に割れない強化プラスチックで出来ています。
左官クワ
砂・セメントを混ぜ合わせるのに適した四角形のクワです。
柄の短いものは腰が疲れるので、そこそこ柄の長さのある方が楽かなと思います。
左官バケツ
内側にメモリの付いたバケツです。
砂・セメントの計量に便利です。
モルタルを電動ミキサーを使って作る方法とツール
作り方
基本的に、作る手順は手動と変わりません。
【モルタルの作り方】
- セメントと砂を、1:2(3)の分量取り出し、練り樽に入れる。
- ミキサーを使って、セメントと砂だけを均一になるまで混ぜ合わせる。
- 水を少しずつ加えながら、セメント・砂・水を均一に混ぜ合わせる。
コツも手動と同じで、水を混ぜる前に、砂とセメントを混ぜておくことです。
モルタル作りに必要なツール
ハンドミキサーを使うため、使う道具が変わります。
リス 練り樽 75
ミキサーで攪拌するため、高さのある樽の方が良いです。
リョービ パワーミキサ PM-311
モルタル・コンクリート攪拌以外には使えない、専用工具です。
左官バケツ リス 14L
内側にメモリの付いたバケツです。
砂・セメントの計量に便利です。
一度に作る量と保存方法
一回に作る量
モルタルは、一度硬化してしまうと再利用できないため、使う分ずつ配合します。
なお、夏場は硬化が早く、数時間で初期硬化が始まるので、素材を消費できる時間も考慮しながら作業しましょう。
【目的別 モルタル消費量(目安)】
- レンガ積み・コンクリートの補修:少なめ。
- ブロック基礎の水平出し:多め。
ブロック基礎ではそこそこの量を消費するので、30kg程度/1回 を目安に作ると、夏場でも硬化が始まる前に使いきれると思います。
モルタルの保存方法
混ぜてしまったモルタルは保存できないので、硬化する前に廃棄します。
混ぜる前のセメントに限り、水分が流入しないように封をしておくことで、再利用も可能です。
余ったモルタルの廃棄方法
余ったモルタルは再利用できませんので、ガレージ下などに散布するのが最も安楽な廃棄方法です。
大きな固まりにしたくなければ、薄めに塗布しておくと、硬化後に簡単に砕け、そのうち砂利になります。
なお、次の対処はNGですから、やってはいけません。
● 排水溝に流す
モルタルは、水に沈めても固まります。
排水溝を復旧不可能なほど詰まらせる可能性があります。
● 花壇などにまく
モルタルは強アルカリ性です。
花壇などにまくと、植物が枯れる可能性があります。
● 再利用する
一度混ぜると再利用はできません。
未使用のセメントは、しっかり封をしておけば、使えます。
モルタル素材を安く購入する方法
セメント・砂・砂利等は、ホームセンターで購入すると驚くほど安いです。
最もおすすめしないのは、配合済みのインスタントコンクリート(セメント)で、素材単位で購入するのと比べると、数倍も高額 になります。
【モルタル素材 価格比較表】
素材 | ホームセンター | 通販 |
セメント(25kg) | 400円 | 2,500円 |
砂(20kg) | 250円 | 3,000円 |
砂利(20kg) | 250円 | 3,000円 |
インスタントコンクリート(10kg) | 700円 | 1,500円 |
価格は一般的なグレード・ショップを目安としています。
【自家用車がない方】
ホームセンターでは、購入素材の持ち運びに軽トラックを無料で貸し出してくれるところもあります。
自家用車がない方は、最寄りのホームセンターで軽トラックの貸し出しサービスの有無を確認してみるとよいかもしれませんね。
まとめ
モルタル作りは、所定の材料と水を混ぜるだけで、初心者でも簡単に加工できます。
- モルタル作りは簡単。
- モルタル作りには腕力が必要。
- 使用量が多いときは、混ぜるための専用バケツと専用クワがないと大変。
- モルタル素材は、ホームセンターで購入すれば、驚くほど低価格で購入できる。
ときどきモルタルを使った外構DIYをするなら、道具を揃えて取り組んでみるのがおすすめです。
あくまでも一過性の作業なら、道具の購入・材料の運搬・労力・作業時間‥‥などを考えると、業者さんにお願いしたとしても、総施工経費に大きな違いはないかもしれません。
モルタルの作り方とツールの紹介は以上です。
実は、わたしにとって、プレハブガレージを建てる時に一番大変だったのが、モルタル作りでした。
工作レベルならバケツとスコップで出来るので楽しいんだけどね。
外構工事になると、小規模でも大変なんだぁ( ゚Д゚)!
これからDIYされる方は、道具の準備だけはどうぞお忘れなく(*’ω’*)☆