ガレージで発生する結露は、その原因のほとんどが床面からの湿気ですね。
通気口を設けたり、換気に注意しても改善しない場合は特に、床の湿気対策をすることで、大きく改善する可能性があります。
ちなみに、わたしの提案する防湿対策は簡単で、とってもリーズナブルです。
【簡単&リーズナブル 3層ミルフィーユ床加工】
- 施工材料:ホームセンターでも買える市販の建材のみ!
- 施工方法:建材を順に敷き込むだけの簡単施工!
- 材料費:6㎡程度で1.5万円程!
また、ウッドパネルをトップ床材にすることで、見栄えもぐっと良くなるので、一石二鳥のガレージカスタムなんですよ。
ガレージ床面からの湿気にお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
床からの湿気を防ぐ 3層ミルフィーユ床加工とは
恰好つけて「3層ミルフィーユ床加工」と銘打っていますが、わたしが言っているだけで、正式な工法ではありません。
【3層ミルフィーユ床加工とは】
防水層・断熱&圧着層・トップ層 と、異なる役割を持つ3種類の建材を、ミルフィーユの様に床面に敷き込む床カスタムです。
3層ミルフィーユ床加工の最大の特徴は次のとおり。
- 市販されている建材のみで施工できる!
- 施工が簡単!
いくつもの施工を試してみましたが、これが最も簡単で最も効果が高かったです。
3層ミルフィーユ床加工が適さないケース
なお、3層ミルフィーユ床加工は、次のケースには適しません。
3層ミルフィーユ床加工は防水処理ではないので、水の侵入は防げません。
むしろ、水の流入があるようなら、流入防止が先決ですし、水が浸み出るなら防水処理が必要です。
地面直に施工するには、3層ミルフィーユ加工では防水性能が心もとないです。
また、常時地面に触れていると、建材の劣化スピードも速いので、ブロック&木造床でもよいので、基礎を作りましょう。
石膏ボードは、1mm~5mm程度の凹凸なら密着しますが、5mm以上の凹凸ともなると、吸収しきれません。
また、最下層はただのビニールなので、突起があると破れてしまい、湿気が侵入しますので、凹凸の激しい床面は不適切です。
あくまでも、3層ミルフィーユ加工で押さえられるのは床面からの湿気で、水そのものではありません。
また、敷くだけの簡易施行なので、施行面の激しい凹凸は苦手ですね。
防水&表面を均す処理は、別途行っておくこと。
3層ミルフィーユ床 おすすめ素材と施工方法
3層ミルフィーユ加工は、建材を順番に床に敷き込むだけの簡単施工です。
また、車重と建材の重量で、2層以下の素材をプレスしていくため、接着材やシーリング材も不要です。
1層目 ビニール
1層目は防湿(微防水)を目的とした層です。
使う建材は、ビニールです。
【おすすめのビニール素材と選ぶポイント】
選ぶポイントは次の2点。
- 厚いもの!
- 耐候性能の高いもの!
おすすめなのが、農業ハウス用のビニールです。
0.1mmと適度に厚く、伸びもよいので、最下層の防水ビニールとして最適です。
一度敷き込むと、ずらす・干渉する・日光に当てることもないため、糸入りや極厚といった特殊なビニールでなくても問題ありません。
2層目 石膏ボード
2層目はビニールの圧着・断熱・緩衝・防水を目的とした層です。
使う建材は、石膏ボードです。
【おすすめの石膏ボード素材と選ぶポイント】
選ぶポイントは次の2点。
- 欲を言えば防水性があるもの!
- 10mm程度の厚みがあるもの!
おすすめなのが、吉野石膏の防水ボード です。
9.5mmと適度に厚く、多少の突起があろうが、柔軟につぶれて1層を満遍なくプレスします。
また、石膏ボード特有の断熱性能が急激な冷えを予防するため、結露が起きにくくなります。
加えて、防水性能が、万一のビニール破れの保険としても機能します(防水じゃなくてもよいです)。
石膏ボードは、可能なら防水が良いですが、ただの石膏ボードでも問題ありません。
床材の緩衝材として、様々な役割を同時に担うキモの建材です。
最下層でも最上層でも駄目で、間に挟んでおくのがポイントです。
3層目 OSBボード
3層目は1・2層建材のプレス&保護を目的とした層です。
使う建材は、OSBボードです。
【おすすめのOSBボード素材と選ぶポイント】
OSBボードとは、集成合板の一種です。
フローリングや、その他の合板でもよいのですが、無塗装でもデザインを選ばないテイストと、それなりの強度があるのに安いため、おすすめの床材です。
選ぶポイントは次の3点。
- できるだけ1.8m以上の長尺ものを使う!
- 9mm以上の厚みがあるもの!
- 強度と重量があるもの!
OSBボードは、敷き込んだ建材をハードに守りつつ、面でプレスしていくのが目的なので、出来るだけ長尺を使うのがポイントです。
なお、厚みは9mmもあれば十分です。
OSB合板は集成材なので、汚れも目立ちにくく、表面強度も高くて、使い勝手のよい床材です。
オイル染みや塗料垂れも目立ちませんし、見てわかる傷がついた記憶もないですね。
3層ミルフィーユ施工 唯一の注意点
建材を敷き込んでいくだけの簡単施工ですが、2点だけ注意点があります。
【唯一の施工注意点】
- トップ層(OSB合板)が、出入り口から飛び出ないよう、ストッパー機構を設けること。
- ボードは、出来るだけ長尺(1.8m以上)の物を使うこと。
最初に施工した時にはあまり考えませんでしたが、ガレージの出入り口のボードは、外に飛び出す力が働きやすいです。
単純に隙間なくボードを敷き込むだけだと、毎度床材がズレてしまうかもしれません。
3層目(OSBボード)だけは、考えながら施工するのがおすすめですね( ゚Д゚)!
床材は出入口方向に引き摺られやすいです。
例えば、わたしのガレージには段差があるので、毎度スロープを使って出入りします。
ガレージからバイクを出すときは、ブレーキを掛けながら出庫するため、ブレーキの都度、床を外側へ引きずる力が発生しています。
また、ガレージ内でエンジンをかけ、ニュートラルから1stへギアチェンジをする動作も、ギアがつながった衝撃が後輪に伝わるときに、床を後方(出入口方向)へ引きずります。
【本当にあった怖い話】
シャッターを閉めてギアを何度か切り替える整備をしていたら、いつの間にか、床材がぎちぎちにシャッターを押し込まれていました。
結果、ガレージから出れなくなりました( ゚Д゚)!
失敗の要因と対策は次の2点。
【失敗の要因】
◎90cmの短尺ボードを使ったため、床が単体で動きやすかった。
材料を購入した時に、普通自動車に載せれるように、90cm幅にカットして持ち帰ったんですよね。
床材が小さくなったことで、床が単体で動きやすくなっていたのが原因の一つでした。
- 対策:長尺ものを使えばいい!
◎ガレージの出入り口にストッパーになる段差がなかったため、床が自由に動いた。
当初、何も考えずに、ただ床材を並べただけの施工で済ませていました。
特に出入口付近には、ストッパーになる段差もなかったため、ボードの引き摺りには成す術がありませんでした。
- 対策:支柱を利用するなど、出入り口のボードだけは、引っ張りに抵抗できるような形にカッティングする!
\ストッパー機能を備えた出入口付近ボードのカッティング例/
出入り口付近のボード作り直しも面倒だったので、現在は、ひとまずOSBパネルのジョイント部分を、メッシュメタルで適当にパッチワークして対処しています。
【今やっている応急処置】
ガレージ内部のボード配置は以下(点線)のようなイメージです。
上記の白い□のところに、以下のようなパンチグメタルでジョイントしています。
なんでパンチングメタルかというと、パンチングメタルが余っていたからです。あと、雰囲気が合ってたから…。
頭とちょっとした加工の手間を伴うのは、ここくらいなので、みなさんは失敗しないよう、考えながら取り組んでみてください。
材料費や施工時間
各素材の材料費(ホームセンター価格)と施工時間の目安は次の通り。
床面積は、およそ6㎡で見積もっています。
素材 | 材料費目安 | 施工時間目安 |
ビニール | 1,200円 | 10分 |
石膏ボード | 5,000円 | 15分 |
OSBボード | 6,000円 | 20分 |
合計 | 12,200円 | 45分 |
ちなみに、OSBボードや石膏ボードといった大型の建材は、通販で購入するのは割高なので、ホームセンターで購入するのがおすすめです。
ホームセンターでは、建材の持ち帰りとして、軽トラックの無料貸し出しサービスを行っているところが多いです。
運搬手段がないからと言って、諦める必要はありません。
ホームセンターで貸し出しがない場合や、自由に軽トラック利用したい人には、レンタカーが便利です(*’ω’*)!
ちなみに、軽トラックは、約5,000円/1日 でレンタルできます!
おすすめのDIY(作業)ツール
3層ミルフィーユ加工に必要なツールをまとめておきます。
「普段はDIYなんてしないよ!?」という方は、チェックしておきましょう。
DIYには必需品のメジャーです。
そんなに壊れるものでもない(持ちがよい!)ですし、どうせなら、おしゃれな家具屋さんでも取り出せるものを普段使いするのがおすすめですね。
しかもこのメジャー、見た目だけではなく、本職の人も使う実力派のメジャーで、巻きのテンポも重量も心地よいです。
また、外車オーナーには嬉しい、インチスケールまでついているんですよ。
カッターナイフは、ビニールテープや石膏ボードをカッティングするのに使いますね。
日本製のOLFAもよいのですが、この際なので、ちょっと変わった本格派のカッターナイフはいかがでしょう?
このE-PLANCEも、ハードな現場で使える本格派仕様のカッターナイフで、しかも両刃です。
替え刃もリーズナブル価格で販売されていて、普段使いに困ることも有りません。
ビニールテープはビニールシートの仮止めに使います。
無くてもいいですが、ちょっとした風にあおられたりすることなく作業できるので、ストレスが減ります。
また、セロテープは、いろんなシーンで使えますが、きちんとした重量のものが圧倒的に使いやすいですね。
OSBボードをカットするには、電動丸のこが便利です。
なお、丸のこは、このサイズが日曜大工にはちょうどよいです。
価格もリーズナブルですが、とにかく軽く、素人が扱う木材の厚さは大抵カットできるので、色んな意味でジャストな電動工具になるでしょう。
正確に直線をカットするのは難しいですが、ざっくりカットするのは驚くほど安楽です。
ハンドツール派の方には、手引き鋸が必要ですね。
丸のこよりも正確に切れますが、腕力と時間が数倍必要です。
まとめ
湿気の発生源となりやすい「床」への防湿対策【3層ミルフィーユ加工】はとっても簡単で、効果の高い施工法です。
6㎡程度のガレージなら、1.5万円程度のコストで、しっかり目の防湿床が出来上がります。
施工で気を付けるポイントはふたつだけ。
- OSBボードは長尺ものを使う!
- 出入口からボードが押し出されないよう、出入り口のボードにストッパー加工を設ける!
湿気無縁のガレージを目指す方は、ぜひ施工を検討してはいかがでしょうか。?
ちなみに、水が溜まる・沸く・そもそも地面…という方は、基礎工事や、コンクリートの防水加工が必要ですね。
湿気被害による愛車のリペアも結構なコストになりますから、早めに対策を検討するのがおすすめです。
以上、簡単にできる床の防湿加工「3層ミルフィーユ加工」についての紹介でした。
ガレージの湿気対策にお悩みの方、参考にしていただけたら幸いです。
さらっとガレージで、快適なガレージライフを過ごしてほしい☆彡