ガレージ庫内の空調を最適化する、最も安価でポピュラーな設備が通気口を設けることです。
ガレージに設置済みの場合もありますが、ベーシックなセットだと、一つもついていなかったり、極端に小さいことも珍しくありません。
ガレージ内のパーツに錆やカビが見られたり、空気の淀みを感じるなど、現状に不足を感じる場合には、通気口を追加設置することを検討しましょう。
そして、折角施工するなら 効果を最大化できる位置や数 に設置するのがおすすめです。
【通気口の理想的な設置位置と数】
- 通気口の数:最低でも2つ。
- 通気口の位置:上下の対角線上に配置。
\通気口 設置イメージ/
ちなみに、本記事で紹介する考え方は、わたしのガレージにも取り入れた、一般的な机上論です。
最適解は、庫内の配置や室外環境にもよるため、効果には個体差があります点、ご了承くださいませ。
月並みですが、実際に施工される場合は、自己責任で。
通気口アイテムや、排気を促進する換気扇なども、併せて紹介していきますので、これから通気口施工を考えていた方は、ぜひ、参考にしてください。
ガレージに通気口を設置するメリット
ガレージに通気口を設置する最大の目的は、ガレージ内の換気です。
換気は、結露防止に欠かせない強力な対策です。
日本のガレージ内には湿気が溜まりやすく、結露による錆やカビに悩むガレージオーナーはとても多いです。
そんな湿気対策に、最も手軽に取り付けられ、効果も大きいのが、ガレージ内の空気を強力に動かす通気口の換気機能です。
結露ができる仕組み・条件をお知りになりたい方は、こちらをご覧ください。
https://garage-gna.com/garage-build-moisture-401.html#i
通気口は 所詮ただの穴ですが、適切に設置することで、風の流れをはっきりと感じられるほど、強力な換気性能を発揮してくれます。
通気口が有ると、ガレージ内環境は明らかに変わるため、ぜひともおすすめしたい設備です。
ガレージの通気口 理想の設置数
通気口は、必ず2ヵ所以上に設置します。
最も非効率な設置数は、1つのみ取り付けるケースです( ゚Д゚)。
【通気口が1つしかないケース】
換気効率は最悪( ゚Д゚)!
- 穴が一つしかない場合、箱の中の空気には出るべき出口がないため、外からの空気は入り辛く、庫内の空気も出辛い状態になっています。
【通気口が2つあるケース】
換気効率がよい。
- 2つの穴があることで、正圧・負圧の働きによって、中の空気と外気はスムーズに入れ替わることができます。
ガレージ内の空気と外気を効率よく循環させるには、空気の入り口と出口、最低2つの穴が必要です。
ガレージの通気口 設置位置
通気口のおすすめ設置位置は、「高所と低所に一つずつ、対角線上に配置する」のがベターです。
高さ、距離の考え方は次の通り。
湿気を含んだ空気は、高い位置にも低い位置にも存在するため、高所と低所に通気口を設け、どちらの空気にも働きかけるのがおすすめです。
- 軽い空気:水分含有量が少ないですが温かく、急激に冷えると結露になりやすい。
- 重い空気:水分含有量が多く、更に水分量が増えると結露になりやすい。
\高い位置と低い位置に一つずつ/
2つの通気口は、空気の入り口と出口の関係にあります。
通気口間の直線距離が長いほど、広範囲に空気が移動できるため、通気口は対角線上に設けるのが理想です。
\対角の可能な限り長距離位置へ/
上記、2つの考え方を融合した設置例は以下のとおり。
ガレージにおすすめの通気口(ガラリ)
通気口は、「ガラリ」 という名称で呼ばれています。
ガレージに設置するガラリも、一般住宅向けの屋外用ガラリから選ぶのがおすすめです。
【おすすめのガラリ ポイント】
ガラリは、以下の機能が付いたものがおすすめです。
◎フード付き
雨水侵入防止として、上面にフードが付いたものがおすすめです。
◎防虫網付き
虫の侵入を防ぐ網付きのものを選びましょう。
◎雨水トレー付き
ガラリ内側を見て、進入した雨水を貯めて外へ排出できるトレーが付いているものを選びましょう。
◎アルミorステン製
一度取り付けると、そう取り換えることはありません。
サビにくい素材の方がいつまでも綺麗ですしおすすめです。
◎直径
市販だと、10cmと15cmが主流ですが、一般的的なガレージの大きさなら、10cmサイズで充分です。
ガラリの基本的な施工は、コーキングによる接着ですが、壁に厚みの無いプレハブガレージでは、厚みのある補材を挟んだ方が安定して施工できます。
なお、屋外用ガラリは、内側にせり出し部分(壁厚によって3cm~4.5cm程度)が生じます。
壁薄のプレハブガレージだと目立つ突起といえますが、雨水侵入もほとんど発生しない優れた構造になっているので、選ばないという選択肢もないかな。と思います。
ちなみに、わたしのガレージはイナバのプレハブタイプですが、内壁を貼ると、完全に壁の中に埋まる程度の出っ張りです。
上記を全て満たす、おすすめのガラリは以下のようなタイプです。
\わたしはフラットタイプにしました/
ガレージに換気扇を設置するメリット・デメリット
風通りの悪い立地など、自然風の流入を期待できない場合は、換気扇を導入するのもおすすめです。
【換気扇設置 メリット・デメリット】
◎メリット
- 一定量の確実な換気が見込める。
- 負圧式なので、内部に対流した空気も動かしやすい。
- 設備投資・ランニングコストが安い。
◎デメリット
- 外の埃も吸い込みやすい。
- 外気が湿気を含んでいる場合、湿気も取り込む。
- 電力が必要。
なお、換気扇は電気を使うので、過度な期待を持ちがちですが、たった一つのことしか出来ません。
【換気扇の唯一の機能】
ガレージ内と外気の交換=換気すること。
次のことは出来ませんので悪しからず。
【換気扇が出来ない事】
- 除湿
- 乾燥
- ファンで、直接ガレージ内を攪拌すること
- 換気扇は、ガレージの内と外の空気を交換するため、外の埃や湿気も取り込むことになる。
- 換気扇に、除湿機能はない。
ガレージにおすすめの換気扇
ガレージのように気密性の低い空間換気には、外気を取り込むタイプの換気扇(正圧式)より、ガレージ内の空気を外に排出するタイプの換気扇(負圧式)の方が、湿気だまりが起きにくく、おすすめです。
換気扇の主目的はあくまでも「ガレージの中と外の空気交換」なので、大きな羽根や高性能は不要です。
屋外設備ですし、安くて壊れてもすぐに交換できる、ありふれた汎用品がおすすめです。
わたしは、汎用20cm羽根の、紐でスイッチが入るタイプを使っていますが、機能・性能は充分です。
また、雨水よけのフードは取り付け推奨ですね。
換気扇の耐久性も上がりますし、何より雨水がガレージに侵入しなくなります。
その他 ガレージ内のおすすめ空調管理&通気アイテム
わたしの思う、通気口の設置と併用するのがおすすめな空調管理アイテムを4つ、紹介します。
【ガレージ内 おすすめの空調管理アイテム】
- 湿度計
- サーキュレーター
- CPUクーラー
- ON・OFFスイッチ
ちなみに、ガレージ置きのアイテムは、壊れても簡単に取り換えが出来る安価な汎用品がおすすめです。
湿度が気になる人は多いですが、正しく湿度を測っている人は意外といません。
エンペックスの温湿度計は、ガレージのインテリアになるほどおしゃれです。
また、電池不要で動き続けるため、ガレージ置きにもピッタリです。
実は、病院・美術館などの要高精度環境でも利用されるほどの高精度なのも、本物志向の方にはくすぐられませんか?
ちなみに、エンペックスはメイドインジャパンです!
ガレージ内の空気をダイレクトに攪拌するなら、サーキュレーターが効率的ですね。
通気口による換気と、サーキュレーターによる攪拌が合わさることで、湿気だまりを徹底的に解消できます。
サーキュレーターが届かない隙間や、ピンポイント送風をしたいなら、CPUクーラー程度の送風でも、意外と効果があります。
設置も簡単で、省電力&安いのも良きですね。
ちなみに、わたしが紹介する製品は、完全に消耗品ですね。
- 時間は定期的にズレていきます!
ガレージの空調管理には、多少のアバウトさも許容でしょう。 - 1年くらいで大抵壊れます!
1000円程度なので、コスパは悪くないでしょう。
ただ、1日3回、15分の換気と空気攪拌をON・OFFなんて設定も簡単にできる優れたスイッチで、ガレージ設置機器や電力の消耗も押さえられてので、とっても便利です。
いずれも、結露が起こりにくいガレージには必須アイテムではありません。
「通気口だけではなかなか解消しないなぁ…( ゚Д゚)」と感じた時に、追加の空調管理として、ご検討ください。
まとめ
通気口の位置と数のイメージは固まりましたか(*’ω’*)?
通気口増設は、比較的簡単な施行なのに、驚くほど風通しのよい空間ができるので、おすすめのガレージカスタムです。
【通気口効果を実感するには?】
通気口×2の効果は、ガレージを全閉してみると良く分かります。
わたしのガレージでは、2つの通気口を繋げることで、肌で感じられるほど、空気が動くようになったのがわかりました。
わたしも、ガレージの湿気に悩まされた一人ですが、いくつかの対策を施すことで、驚くほど快適なガレージになりました。
おかげさまで、わたしの現ガレージはとっても快適。
◎革ジャンは、1年中ガレージに置きっぱなしにしていますが?
- 僅かなカビすら見掛けませんね。
◎洗車は1年に1度しかしない主義ですが?
- バイクはほとんど錆びず、わりとピカピカです。
結露の発生しやすいガレージの原因には、それこそ色んなパターンがありますが、できる対策自体は、実はそう多くはありません。
ガレージの結露対策の事、通気口以外の結露対策のことなど、詳しくお知りになりたい方は、こちらもご覧ください。
https://garage-gna.com/garage-build-moisture-401.html
一つずつ解消し、ぜひ快適なガレージライフをお過ごしください。
ガレージへの 通気口 追加カスタム、おすすめですよ。